発熱時の対応②

発熱時の飲食について。

まず結論です。

 

・水分は摂れるものをこまめに

・食事や優しいものを少しずつ

 

かなり当たり前ですが、この当たり前に結構人に幅があるような気がします。

 

大前提として、発熱時は基本的には食欲が落ちます(そうでない人もいるでしょうが。私がそうです)。

発熱しているということは、どこかが腫れていて、そこを治すために水分なりエネルギーなり動員されているわけです(医者とは思えない曖昧な表現ですが)。

そうすると消化管というのは優先順位からいって置き去りにされるのでしょう。

だから負担にならないようにする必要があります。

 

発熱すると何だか味覚が変になりますよね。

風邪の発熱だとノドも痛くて飲み込むのが辛かったりもします。

そういったことによって消化管に負担がかからないようになっているのだと思います。

 

元々健康なら1、2日は水分さえある程度取っていれば、食事をまともに摂らなくても大抵大丈夫です。

 

水分は何でも良いですが、一応言っておくとアルコールとカフェインはやめたほうが良いです。

そもそも飲みたくならないでしょう。

卵酒(!?)って昔ドラマとかでありましたね。少しくらいなら身体が温まって良いかもしれませんが。

カフェインは利尿作用があるのでやめたほうが良いと思います。

炭酸も摂る気がしないでしょうし、柑橘系のジュースはムカムカすることがあります。

牛乳も冷たいのは優しくないですね。

発熱だけならイオン飲料などをわざわざあげることもないでしょう。

吐きまくってるわけではないので。

*ただし、熱中症の疑いや、基礎疾患のある高齢者などは別です。

 

食事は摂れる・摂りたいなら摂れば良いと思います。

 

優しいものとは以下です。

良いのはやはりお粥です。

ゆでうどんも良いでしょう。

おやつで言えば、カステラ、昔ながらのプリン(生クリームを使っていないもの)は良いですね。

 

やめたほうが良いものを列挙します。

・脂っぽいもの(特に動物性)

・生もの(果物や野菜も含む)

・香辛料

・繊維質が強いもの

・火が通っていてもアクの強い野菜

・冷たすぎる・熱すぎる物

・その他いかにも消化に悪い物

 

そう、果物は口当たりが良くさっぱりしていそうで子供も欲しがりますが、

しょせん生なので消化には良くないです。

 

いちご欲しがってそれだけは食べたのに、その後吐きました、なんていうことはよくあることです。

やめたほうが良いですね。

ただ、子育てしている中で仕方ないことはあります。

その場合、温かいものを食べた後で、ご褒美として少しだけ、はありだと思います。

 

あ、バナナは唯一悪くないと思いますが、やはり生なのでおすすめはしません。

 

何だか子供も大人も区別がなくなってしまいましたが、

アルコールの部分以外は基本一緒だと思います。

発熱時の対応①

発熱時の対応について、よく小児科医がするアドバイスから一歩実際の生活に踏み込んだアドバイスをしたいと思います。

 

まずは、以下が大事です。

 

①自分が発熱した時を思い出す

 

②できるだけストレスなくしてあげる

 

③極端なことをしない

 

医学生が小児科を習う時、真っ先に、

 

「こどもはおとなのミニ版ではない」みたいなことを言われます。

 

確かにそうだと思います。

 

こどもには成長と発達という特徴がありますし、

 

免疫力が未熟だし、

 

特有の病気もあります。

 

でもやはり、基本は同じ人間である、という部分が大きいのではないかと思います。

 

そういう意味では、子供が発熱した時の対応は大まかには共通しています。

 

なので、まずは「自分が発熱した時」、「ストレスがかからない」のはどうすれば良いか、を思い出しながら対応してあげれば良いです。

 

発熱し始めは手先足先が冷たくなり、背中あたりがゾクゾクします。

 

そのあと熱が上がりきると、見た目も赤くなるし、自分自身に熱を感じます。

 

じゃあ暑いのかというとそうではなく、外気温との差ができる分、やはり寒く感じます。

 

特に首回り、背中、腰あたりにゾクゾクが残ります。

 

なので、熱の出始めも、熱が上がってからも、少し暖かめにしてあげるのが良いでしょう。

 

熱の出始めには寒そうだからとモコモコにしたりではなく、いつもより暖かめに。特に首や腰まわり。

 

熱が出切ってからは暑そうだから「極端に薄着にしたりではなく」、気持ち薄めで、やはり首や腰廻りは暖かく。

 

少しずつ調節が良いと思います。

 

かけ物や部屋の温度も同様に、「極端でなく」、基本普段通りで少しずつ調節で良いと思います。

 

次に冷やし方について。

 

結論から言うと、幼児以上なら、氷枕をタオルで巻いてそれで寝るのがお互いに楽で良いです。

 

そばに置いておくだけでも良いでしょう。

 

乳児(赤ちゃん)は枕だと頭が高く上がりすぎて、窒息が怖いのでやめましょう。

 

よく、冷やすのはドクドクが触れる、首・腋・股が良いと言いますが、理屈だけの話だと思います。

 

ここでも、「自分ならどうか」の考えで良いです。

 

自分が熱出して寝ている時に、首・腋・股に冷たいものをつけられたら、どちらかと言うと不快だと思います。

 

もちろん、それが気持ち良いと言う人もいるかもしれませんが。

 

頭を冷やす(特にヒエビタなど)は残念ながら効果はないでしょう。でも気持ちいいのなら、やってあげて良いと思います。

 

乳児(赤ちゃん)の場合は、窒息の心配は確かにあるのでやめておきましょう。

 

究極を言えば、熱は感染に対する当然の防御反応なので、そもそも下げる必要ないのです。

 

*もちろん、熱中症が心配になる気候季節の時は積極的に冷やすなどの対策が必要です。

 

最後にもう一度、・

 

①自分が発熱した時を思い出す

 

②できるだけストレスなくしてあげる

 

③極端なことをしない

初めまして。

東京都大田区池上にある池上オハナ小児科の院長です。

9月1日に開院したばかりです。

一般小児科をベースに、発達心理外来を専門外来として設置しています。

私は、小児科専門医、公認心理師、そして臨床遺伝専門医でもあるので、

小児医療の話(真面目なものから裏話まで)、発達やこころのについて、遺伝の話など

していきたいと思っています。

時には、趣味や生活の話などもしていきたいです。

よろしくお願いいたします。